対談

右:株式会社Be&Do 代表取締役 石見一女 × 左:株式会社クオリア 代表取締役 荒金雅子


クオリアがリリースした、ダイバーシティ推進や女性活躍推進を実践的に支援するオンライントレーニング『Diチャレ!』は、エンゲージメントツール『Habi*do』(オンライン プラットフォーム)を活用したサービスです。
対談初回となる今回は、『Diチャレ!』開発に深く関わって頂いた、『Habi*do』システム提供会社の株式会社Be&Doの石見一女社長と、”個人が変わる・組織が変わる”をテーマに語り合いました。

個人・組織が変容するポイントは、実践と自己効力感

荒金

”個人が変わる・組織が変わる”が今回のテーマですが、『Diチャレ!』でシステム利用させて頂いている『Habi*do』はまさに、個人と組織の変容を強力に推進するツールだと思います。まずは、開発の背景や想いを聞かせていただけますか?

石見社長

もともとは、「チームパフォーマンスをどのように最大化するか」というテーマで、コンピューターソフトを使って人間関係を分析し、組織編成を設計するような事業をしていました。その事業が軌道に乗りきらず離れた後、人財紹介事業をしていたのですが、リーマンショックでどん底までいってしまいました。

その時にロート製薬の会長に相談すると、「美と健康に関する事業を一緒にやろう」という話を頂いたのです。ただ”美と健康”というテーマは私の専門分野とは違いすぎるため、「組織を健康にする」ということなら、私のこれまでのバックグラウンドを活かせるかもしれないと思い、取り組み始めました。

「組織を健康にする」
具体的に取り組む手法として、今更、研修やコンサルティングは違うと感じていました。長く人財業界にいる中で、「いくら研修を受けても、”実際に行動する””その行動が習慣化する”ことが無ければ、人は変容しない」と感じていたのです。特に”美と健康”はそれが顕著で、「いくら良い話を聞いても、実践しなければ健康にならない」ことは、皆さんよく分かると思います。

では、どのように”実践”と”習慣化”を通した行動変容を促すのか?
その時に、最初にお話したコンピューターソフトを使った人間関係分析・組織編成・チームパフォーマンス最大化を事業としていた時のことを思い出したのです。丁度スマホも出始めていた頃だったため、そのようなデバイスを使って行動変容を促す仕組みが出来るのではないか、という仮説を立てました。

この仮説に基づき現在の『Habi*do』の原型となるシステムを作り、ロート製薬に「社員の自発的な行動変容を促す仕組み」として、派遣社員やパートも含めた全社員約1,600人対象に導入頂いたのが始まりです。

荒金

全社員とはすごいですね。「社員の自発的な行動変容を促す仕組み」とのことですが、『Habi*do』はどのような設計なのでしょうか?

石見社長

私は、「社員の自発的な行動変容」も「一人ひとりがイキイキすること」も「組織の活性化」も、全て同じだと思っています。それは、「一人ひとりが目標を持ってチャレンジし、それを共有し、励まし合い、学び合う仲間とともに推進していくこと」です。これをコンセプトとしてまとめ上げたのが、TREEダイナミクス®という考え方です。

TREEダイナミクス®とは、Try(やってみよう)、Refresh(イキイキしよう)、Enjoy(楽しもう)、Encourage(励まし合おう)の頭文字で、”自己効力感を高めることで行動変容を促す手法”をまとめあげたものです。この手法に基づいて『Habi*do』は設計されています。

特に、「Enjoy(楽しもう)」を実現するためにゲーミフィケーションの要素を取り入れ、強制的にシステムでやらせるのではなく「楽しんで、自発的な行動変容を促進する」仕組みになっているのが特徴ですね。



荒金

時代にとてもあっているなと感じました。
『Habi*do』リリースはSNSが活発に使われ始めたタイミングでしたし、Facebookで”いいね!”を押して承認し合うことに慣れ親しんでいる人たちが増えてきた中で、ゲーム感覚で学ぶというこのコンセプトがすごくヒットしているような気がします。

特徴の話が出ましたが、ゲーミフィケーション以外では、その他のeラーニングシステムとの違いや特徴はどのようなところにあるのでしょうか?

石見社長

日々の習慣化支援・行動管理にフォーカスしていることが、『Habi*do』最大の特徴だと思います。
「目標達成のための行動を、日々、実践管理する」ために”やった!”ボタンで報告し合う仕組みがあったり、「それを仲間と共有し、励まし合い、学び合える」ようなチームラーニング型であったり、ミーティングボードへの投稿機能があったり、全てTREEダイナミクス®のコンセプト”自己効力感の向上を通した行動変容促進”を最大限実現するような設計となっています。

荒金

先日、このシステムを活用した『Diチャレ!』を導入した企業で、「8週間、自分の立てた目標を毎日意識し、行動実践を”やった!”と積み重ねていくことが、自信に繋がっていくことを実感した」という声を頂きました。

8週間の中で、受講者が自信をつけて、自発的にストレッチした目標を再設定しチャレンジし続けていく姿を見て、行動実践→習慣化→自己効力感向上→チャレンジというサイクルを回すことが、個人と組織変容のカギであることを改めて感じました。また、個人としてだけでなく、チームとして部署として「やった?」と互いの目標をサポートし合える環境を作り出せるのが、通常の研修等だけではなかなか到達出来ないゴールであると考えています。
 

 

オンライン・ラーニングの可能性

荒金

個人と組織の変容は、行動の実践・習慣化と、それを促すチームでの切磋琢磨が重要であることが理解できました。
それでは、それらをオンライン上で取り組むことには、どのような利点があるとお考えですか?

石見社長

もちろん、現場での生の声の交流・取り組みは何よりも大事だと考えています。
ですが普段職場で、「互いに目標を共有化して、切磋琢磨し合うようなコミュニケーション」の機会を作り出すのは、非常に難しいのではないでしょうか?

例えば、Aさんが「とても頑張っているな」と思っても、なかなか褒めるタイミングが無かったりするかと思います。「頑張ってるね、と声をかけよう」と思っても、そのまま通り過ぎてしまったり・・・このようなロスが、実はとても多いのです。オンライン上では自らのタイミングでコミュニケーションを取っていくことが出来るので、コミュニケーションのロスを少なくすることが出来ます。また、文字だと素直になれるということもあって、コミュニケーションの質自体もとても高くなることが多いです。

もう1つは、Aさんの頑張りを褒めたり承認したりするようなコメント、あるいはAさんの学びや気づきのコメントが、他のチームメンバーにも見えるようになっていることですね。もちろんAさんの自己肯定感の向上という効果もありますが、ピア・ラーニング法のような、チームメンバー相互の学び合いの効果が非常に高いです。実際のコミュニケーションで学び合いを実践するのは、案外難しいものです。例えば、Aさんの話は聞くがBさんの話はちょっと・・・という心情的な難しさ、そもそもメンバー全員でしっかり時間を取ることが困難である・・・等の時間確保の難しさが、現実問題としてよくあるんですよね。
 

・・・後編へ続きます。後編は2月20日公開予定!

 


株式会社Be&Do 代表取締役 石見一女

大学卒業後、1985年に25歳でセールスプロモーション系人材派遣会社を創立。1988年に法人化して以来、経営を続けている。

1994年に組織・人材活性化コンサルティング会社を共同経営で設立し、通販会社、物流会社、IT企業、エネルギー会社、総合電気メーカー、医薬品メーカー、販売会社などの組織活性化コンサルティングを行う。

1998年から組織論の第一人者である加護野忠男先生(現:甲南大学特別客員教授)、キャリア論の第一人者である金井壽宏先生(神戸大学大学院経営学研究科教授)のご指導を得て、「人と組織の活性化研究会(APO研究会)」を設立し、働く人のイキイキについて研究活動を継続している。

2000年に株式会社キャリアステージに社名を変更し、人材紹介事業に従事。

2011年に株式会社Be&Doを設立。「個人と組織のイキイキ」をライフワークとしている。

 


株式会社クオリア 代表取締役 荒金雅子

都市計画コンサルタント会社、NPO法人理事、会社経営等を経て、株式会社クオリアを設立、代表取締役に就任。

長年女性の能力開発、キャリア開発、組織活性化などのコンサルティングを実践。

1996年、米国訪問時にダイバーシティのコンセプトと出会い強く影響を受ける。以降一貫して組織のダイバーシティ推進やワークライフバランスの実現に力を注いでいる。近年は組織開発の研究を続け、「学習する組織」「U理論」「アクションラーニング」「ファシリテーション」「女性のリーダーシップ開発」等に取り組んでいる。


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